運送会社経営について

新型コロナウイルスは物流業界にも大きなダメージを与える

新型コロナウイルスが水面下で各方面に影響を与えている。

特に物流業界はより敏感にならざるを得ない。

最近、ニュース等でよくサブプライムチェーン(SC)という言葉を耳にするようになったが、この意味は、【原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでのプロセスの繋がりである】

つまり、サプライチェーンの重要なプレイヤーとして我々、物流業界の存在が大きい。

そのためコロナウイルスによって、直接的な輸送の落ち込みが起きれば、我々物流業界の停滞を生んでしまうことになる。

特に、働き方改革などで、倉庫の労働時間や運転手の労働時間削減のため、値上げ交渉や生産性上昇の動きが活発化する時期に発生してしまったことが厳しい。

このタイミングでは、供給側(メーカー)も新型コロナリスクで安定供給できない可能性があるが、需要側(消費者)も積極的な購買意欲は起きるはずもなく、結果的に安くてもいいから仕事が欲しいという会社がいてもおかしくはない。

結果、値上げ交渉や生産性上昇の議論も一時休戦となり物流業界の働き方改革は半年以上遅れると予測できる。

さらに言うと、全日本トラック協会がまとめている2019年10~12月期の景況感指数は、マイナス52.3と前回から25ポイント大幅に下がっている。

運賃やその他料金の水準は上昇したが、消費税増税や景気後退局面を迎え輸送数量が大幅に減少した。

全日本トラック協会 景況感指数 

物流企業としてコロナに対する取り組み事例

コロナで物流が止まる可能性は0ではない 

そして特に重要なことは景況感悪化の原因である。
近年、物流業界は人材不足が大きく叫ばれているが、今回の調査では採用状況は少し水準を下げたが、雇用状況である労働力不足感は改善されていた。
つまり、この景況感悪化の原因は、実働率(稼働率)が大半の原因を占めているのである。
不幸中の幸いは、燃料価格の上昇機運が落ち着きを見せていることであるが・・・。

コロナウイルスで中国人の入国禁止?

コロナウイルス懸念で中国人の入国禁止という声が国内からあがっている。しかし、政府としてその判断は100%しないと断言する。本来ならば筆者も日本人である以上、コロナウイルスは怖い。そして中国人が好きでもない。ただ、日本の輸出入の貿易構造を考えると中国の機嫌を取るのは、一定の理解をしないといけない。日本の政府の対応をここではこれ以上語らないが、日本の貿易構造は、ここ何十年で大きく変化してきた。それが下記内容である。

JFTC 一般社団法人日本貿易会 参照

輸出総額 2000年
総額 51兆円
2010年
総額 67兆円
2018年
総額 81兆円
1位 アメリカ
15兆円(29.7%)
中国
13兆円(19.4%)
中国
16兆円(19.5%)
2位 台湾
4兆円(7.5%)
アメリカ
10兆円(15.4%)
アメリカ
15兆円(19.0%)
3位 韓国
3兆円(6.4%)
韓国
5兆円(8.1%)
韓国
6兆円(7.1%)
輸入総額 2000年
総額 40兆円
2010年
総額 60兆円
2018年
総額 82兆円
1位 アメリカ
8兆円(19.0%)
中国
13兆円(22.1%)
中国
19兆円(23.2%)
2位 中国
6兆円(14.5%)
アメリカ
6兆円(9.7%)
アメリカ
9兆円(10.9%)
3位 韓国
2兆円(5.4%)
AUD
4兆円(6.5%)
AUD
5兆円(6.1%)

この内容から中国とアメリカが日本にとって最上のお客様であることがわかる。そして内容を詳しくみると、アメリカに対しては、輸出も輸入も何十年も特段変化がないが、中国に対しては大きく変化している。つまり、まとめるとこうである。

中国は、日本にとってNo1のお客様になりつつある。

政府としても、今回の不祥事を問い詰められない。経済の与える影響力が巨大になり、中国に対しては一定の配慮をせざるを得ない。

中国は、近年の経済成長と共に、急速にインフラを進めた。

それに伴い物流網も急拡大を続けた、その結果、今回のサプライチェーンの綻びは致命的になる可能性がある。

さらに、日本はオリンピックに備えて巨大な投資と共に物流機能を拡充させてきた。今回でオリンピック中止にでもなると、目も当てられない。

貨物がない状況は、物流業界にとって試練の時

このまま、供給リスクが続くと、倉庫、輸送共に大きなダメージを受ける。輸送数ダウンで、売上も確保できず、度重なる労働時間の削減コストで疲労感が漂う中、コロナウイルスで一気に倒産もあり得る。

現状、国内の株価が手堅く推移している所を見ると、3月中に中国経済は本来のサプライチェーンの形を取り戻すことは見て取れるが・・・。

結論として日本政府は、抜き差しならぬ状況になる前に、中小支援5000億円だけではなく、追加の経済対策を早期に検討してほしい。
国内の景気後退懸念が高まり、内需まで静まり返る状況になれば、本当にアベノミクスがアベノリスクになってしまいかねない。

コロナウイルスVS世界経済

新型コロナにおける、運送業界各分野での影響  追記

タクシー業界

企業の在宅勤務導入の推進、飲み会やイベント等の自粛要請、海外からの観光客減少による影響を受け、以前苦しい状況。売上が人の流動性に左右されてしまう一面から、現状脱却は数カ月先になるだろう。

ただし、悪い側面ばかりではなく、例えば電車通勤等を避ける人もいるため、深夜時間帯での売上げは下がるが、昼間時間の売上は堅調といったことも考えられる。そして、万が一コロナが4月末で収束した場合、その後爆発的な繁忙期が到来する。

3月~4月 影響度 40% 収束すればすぐに反動から繁忙期が来る可能性も。

バス業界

観光バス業界は、コロナの影響で壊滅的打撃を受けている。もちろん外国人観光客が減っているからであるが、日本政府のビジョンとして観光立国を掲げえており、それを見据えて外国人観光客に力を入れていた会社が多い。

特に2010年~2020年の10年で、訪日外国人は800万人から3,100万人と、約4倍に増えており、経営者としてその方向性に向かうのは、すごく当然の流れといえる。そして、実態の影響として、バスを売却して従業員の給与を補完する等のニュースが話題になった。

今まで積み上げてきた資産を売却して、給与にあてるということが、どれほど厳しいか容易に想像できるであろう。基本的に運営資金に余程余裕があれば別だが、売上がほぼないに等しい状態であれば、中小企業ではもって数カ月がリミットである。

政府の支援を積極的に受け、オリンピック需要で、再度観光客を呼び込めるかが鍵になる。目下、日本国内だけでは需要を満たすことはできず、今は耐えるのが最良の選択となる。

※ここで、政府支援が遅れたら政治的責任を果たせないから、流石に失望する。

※政府労働者雇用継続のための対策、雇用調整助成金

3~4月 影響度 80% 収束してもすぐには回復が難しい長期化する。

トラック業界

トラック業界に対しての影響度として、1月末~2月中旬にかけて大手の運送会社の貨物取扱数量は10%程ダウンした。また、ITでの情報配車システムの貨物は、一時的に40%程下落したと考えられている。

しかしながら、貨物の減少傾向は一時的なものであり、3月中旬現在は、いがいにも顕著に推移している。このことから、コロナの影響を受けた所は少なからず存在したが、半分以上の運送会社は実感がないという所も存在しているだろう。

但し、依然として一部の品目に対しては、海外からの調達不足が懸念されるため、現在の在庫が尽きた時は不透明といえるだろう。

3~4月 影響度 15% 俄然リスクはあるが、国内貨物の動きは手堅い。

その他の業界

航空業界及び鉄道業界についても影響は大きい、航空業界に至っては業界の特色上、グローバルな貨物輸送と人員輸送になってしまうため、世界規模のウイルス拡大の影響をもろに受けてしまう。事実上、3月5日英フライビー航空は倒産し、国際航空運送協会(IATA)によれば、楽観的に見積もって3兆円程のマイナス影響を受けるとしている。

また、国内の鉄道業界においても、JR東日本が2月の鉄道運輸収入を約110億円押し下げたと3日に発表したことから、コロナ影響のダメージを受けている。

航空業界 影響度 60%  財務リスクも健在、長期化懸念。

鉄道業界 影響度 25% 一服すれば、じわりと需要回復していく。

 

ほと犬
そういえば最近WTIの原油先物が30ドル割れたことにびっくりしました・・・。国内店頭価格、軽油70円ガソリン100円時代がやってくるか?なぜ、石油輸出国は減産でしっかりタッグを組めないのかな?・・・。闇が深すぎる。まぁ燃料下がるのは好感。あまり下がりすぎると戦争の引き金を作るので35ドルくらいが丁度よい。

物流企業としてコロナに対する取り組み事例

コロナで物流が止まる可能性は0ではない

-運送会社経営について

Copyright© トラックドライバー.com , 2020 All Rights Reserved.